【2022年書籍出版用】おしえるがっこう物語 第一章 ~北風と太陽~

中学時代は自分を守るためにひたすら頑張り続けた勉強。自分で言うのもなんですが勉強はかなりできていたと思います。県内の進学校に入学して5月の数学のテスト。忘れもしない某数学教師のO串先生からの、テスト返却の時。答案用紙に3と書かれた数字に横棒が二本書かれ0。0点。人生初の0点。まだ、プライドの塊だった僕は正直、強烈なショックでした。しかも、先生は僕の答案用紙を取り上げ、「真崎は0点や」とクラスに公表。想定外の大爆笑が起きました。

そこから、勉強できないことは爆笑が取れるんだと思い込みが始まり、「わるくないかも」と間違った自己肯定が始まり、目も当てられないような生徒でした。漫画のように授業中に弁当を食べたり、熱い時は授業の時でもパンツ一丁、寒い時はストーブの横で寝ていて廊下に叩き出されたりしました。当時の教室のガラスがすべてすりガラスで黒板も何も見えない。定期テストのときに、どの問題がテストに出るか直接先生の家に電話して聞こうとしたり、高校一年生の時、ある中学生の最優秀作品をそのまま提出。県のコンクール作品に学校代表として選ばれかけ、クラス担任の国語の先生に口もきいてもらえなくなりました(当然です)挙げればきりがないのでこの辺にしておきますが、そんなろくでもない人物でしたので授業中も寝るかしゃべっているかという本当に迷惑でしかないタイプの落ちこぼれでした。

そんなどうしようもなかった私に、ある先生との出会いがありました。生物のT先生です。いつものように授業中ですが眠ろうとしたとき、なぜか先生に「先生、寝てもいいですか?」と質問しました。さらっと「いいよ」。ありがとうございますと告げ、机に突っ伏して眠る私。内心「え!?」。
まったく予想していなかったT先生の答えに胸がざわつく。不思議なもので寝て良いと言われると眠れない(笑)。今までそんな対応されたこともないし、何事もなかったかのように授業を進めている。「なんでほかの先生みたいに怒らないんだろう」「なんで寝て良いって言ったんだろう」そんなことを考えだしたら、眠気など1mmも無くなり、しばらくしてから起きてちゃんと授業を受け始めました。

それから私は、T先生はずっと起きてました。起きていたというより「この先生の授業を受けたい」と思ったからです。厳しく「ねるな!」と怒鳴ることもできます。教室から出されてもおかしくはありません。しかし、この時、私が頭に浮かんだのは「北風と太陽」そこに登場する太陽です。旅人の服を、力づくで、強風を使って服を脱がそうとする北風に対し、ぽかぽかと照らし、あつくなって自分から服を脱がせた太陽。まったく勉強をしなかった私が、自分から授業を受けたいと思わせていただいた経験。この時の感動が私の教育に携わる中で今でも影響を受けている部分です。自分からやりたくなるように、成長に向かって自らの足で一歩を踏み出せるように、そのままの相手を受け止め、励ましを送り続ける。勉強が大嫌いだった私の心に火をつけてくれたT先生からそんなことを学ばせていただきました。

 

 

 

 

 

 

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