イギリスを例に見る、海外の男性の男性の育休について

日本では、男性が育児休業を取得するとちょっとした話題になります。ところで、海外では育児休業はどのような制度として捉えられているのでしょうか?

今回の記事では、イギリスにおける男性の育児休業に対する考え方に焦点を当てて日本における男性の育児休業との比較を行ってみます。

 

1、日本に暮らすことで見えてくるアジアにおける「育児休業」の制度

グローバル人材会社であるヘイズという会社が、アジア5カ国・地域での女性活躍推進に関する調査を過去に実施した際に、女性活躍推進の鍵を握る項目の一つである「男親の育児休暇」について、様々な課題が浮き彫りとなりました。

その調査では、「自社に男親の育児休暇制度がありますか?」と制度の存在有無を質問して得た回答は、日本の男性53%が「知らない」と回答したという事実です。
男親が育児休暇を取れるかどうかすら半数以上が「知らない」という結果は、他のアジアの国々と比較して突出した数字となっている。比較対象として「知らない」と回答した割合は、中国の男性が10%、香港が26%、シンガポールが17%、マレーシアが8%と「知らない」と回答した男性のほうが少数派でした。
なお、日本の女性に同じ質問をしたところ、半数近くの45%が「知らない」と回答しており、この割合も他のアジアの国々と比べ突出して高い割合でした。これらの事から読み取れる情報としては、日本人は育児休業という、労働者が等しく持つ権利に対する関心が薄いということです。
男性の育児休暇制度自体の存在が従業員に意識されていないのが日本の現状です。まだまだ男性が育児休暇を取ることが当たり前になるには、雇用主だけでなく従業員の双方でマインドチェンジを促していかなければならないと考えられます。

2、ヨーロッパ(イギリス)における「育児休業」の制度

 

7月26日に厚生労働省が発表した2015年度の「雇用均等基本調査」によると、男性の育児休暇取得率は前年から0.35%増え、2.65%となっており、1996年の調査開始以来最高の数値を記録しました。日本国内の報道では、進む男性の育休取得が盛んに報じられています。

海外における男性の育休取得はどのような状況なのでしょうか。国内報道でもやたらと欧米では育児への男性参画が一般的であると喧伝されており、男性の育休取得も容易であるとのイメージがあるかもしれません。男性の育児休暇取得の現状について、イギリス現地在住のライターのバックリー佳菜子さんによると、

”筆者の住むイギリスでは2015年4月から、1年間の育休期間を母親と父親で好きなように配分できるようになった。そのため筆者が昨年8月に長女を出産した際、夫は産後直後に5週間の育休を取得し、さらに4か月後に3週間育休を取って家族で日本へ帰省した。

筆者のケースでは、父親は産後2週間の必須育休と6週間の共同育休を取った形になる。そのため母親は1年間の育休から6週間を引いた時点で育休が終了する。これは育休中に企業が育休を取得している社員へ支払う金額は企業によって違うため、母親の育休条件と父親の育休条件を比べ、より多くの利益があるほうが取得するというのが一般的なためだ。

また母親・父親ともに育休を取っている間に減給や役職の変更などは許されておらず、出産前に父親が育児や出産について学ぶ父親学級に参加するため仕事を休む場合も、通常勤務日扱いとなる等イギリスの男性育休制度は、より安心して子供を産める社会を作ろうとするイギリスの制度の一つであるといえるかもしれない。

筆者の夫がトータル8週間の育児休暇を取得した際、休暇を取る前に至急のプロジェクトなどはあらかじめ他のマネージャーに引継ぎ、プロジェクトをまとめてもらったが、そのマネージャーが2週間のホリデーを取得する際には夫が代わりに引継ぐなど実務では混乱もなかった。

また長女をオフィスに連れていき、一緒にランチを食べるなどしてプロジェクトチームのメンバーにも育児中であることアピールすることで職場での感情面のケアもしやすく、父親が育児休暇を取得することの弊害はほぼないため、取得しやすい面もあるだろう。”

出典:「How Travel Magazine」https://www.howtravel.com/news/uk-childcare/

バックリー佳菜子さんのリポートによると、イギリスでは父親でも比較的育休を取りやすいようです。実際に、イギリスにおける父親の育休取得率は12%を超えており、日本に比べると10%程度高い数字を示しています。日本においても、子供が満一歳になるまでの間は父親が育児休暇を取得することは法律上可能です。育休期間を父親と母親の間で配分できるようにする等、年々制度変更を重ねて取得しやすくはなってきていますが、今のところ取得できる期間に差はありません。また、育児休暇期間中の給与についても、育児休暇取得開始から6週まではイギリスの方が有利な一方で、6週目以降は日本の方が貰える額が多くなる可能性が高いです。

■日本の育児休業給付金
・育児休業開始から180日までは自身の日額賃金×支給日数×67%
・育児休業開始から181日以降は自身の日額賃金×支給日数×50%

以上の計算式を用いて、日額賃金×支給日数を30万として計算すると、

・育児休業開始から180日まではおよそ20万円が支給されます。

・育児休業開始から181日以降はおよそ15万が支給されます。

■イギリスの育児休暇期間中の給与(会社から支給)
・育児休業開始から6週は社員の平均所得の90%が支給されます。
・育児休業開始から6週目以降、39週目までは週139.58ポンド(1ポンド=約130円で計算して月7万円相当)か平均所得の90%の少ない方が支給されます。

制度面での大きな差はありません。

結論的に言うと、日本において父親の育児休暇が増えないのは、文化的な背景が大きく影響している可能性が指摘されています。先進国内で有給取得率で最下位常連でもある日本では、理由があっても休みたいと言えない職場環境が常態化しております。育児休業からの職場復帰後の給与や役職に影響させない等の制度作りはもちろん、育児休暇を取得したいと言える雰囲気作りが重要なのではないかという意見があります。

まとめ

日本とイギリスの育児休業の制度についてご紹介しましたが、いかがでしたか?男性が育児休業を安心して取得できる国になることが、これからの日本にも必要だと思います。

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