なぜ体験が重要なのか? 教員なら理解しておきたい体験学習について解説します!

学校ではしばしば、ボランティア体験、職場体験や、キャンプやハイキングなどといった行事が催されます。

こういった行事は総合すると体験学習(ないしは体験活動)と呼ぶことができます。

なぜ学校では体験学習が行われるのでしょうか?

この記事では、そもそも体験学習とはどんなものなのかや体験学習のメリットについて教員の方に向けて書いていきたいと思います。

体験学習について

①体験学習の現状

そもそもなぜ、学校で体験学習を行う必要があるのかというと、それは子どもの成長や発達を促すためです。

文部科学省によると、体験にはいくつかの種類があります。

I.対象となる事柄に実際に関わっていく「直接体験」

II.インターネットやテレビを通じて感覚的に学ぶ「間接体験」

III.シミュレーションや模型を通じて模擬的に学ぶ「模擬体験」

と三つの体験があります。

そして、子どもたちの発達を促すのに最も効果的なのは実際に何かを体験する、つまり、「直接体験」です。

しかしながら、昨今では「模擬体験」「間接体験」に子どもたちが容易に触れることができるようになっていますが、一方で「直接体験」が不足しており、このことが懸念されています。

また、文部科学省が平成26年に小学生の保護者を対象として行った調査によると、

・子供の発達段階が上がるにつれて、体験学習よりも勉強を優先させたい保護者は増えているが、全体として8割弱の保護者が体験学習の必要性を感じている

・7割程度の保護者が、自分の子供の頃と比べると「現在の子供たちが体験学習をする機会が少なくなっている」と感じている

・5~6割程度の保護者が「学校の授業や行事以外に子供たちが体験学習をできる機会が十分にない」と感じている

といったことがわかりました。

これらを踏まえて、子供たちが体験学習を行う時間が限られている中で、子供たち及び保護者の状況やニーズに合わせた「選び」「選ばれる」「選びやすい」体験学習を考案していくことが今後の課題と言えます。

体験学習の効果

体験学習を行うと、成長途中の子どもに発達を促すことができます。

体験学習は、たとえば、子どもたちに現実生活への興味や関心を持たせたり、社会性他者との共生力、他にも豊な人間性を養うことなどに繋がります。

実際に、平成17年に行われた独立行政法人国立青少年教育振興機構が行った調査によると、ハイキングやキャンプといった自然体験活動によく参加する子どもたちのほうが、比較的道徳観や正義感が強いことがわかっています。

それだけでなく、自然体験に参加すると勉強に意欲的になる子どもたちが多くなることも判明しています。

体験学習の定義とメリット

学校で行われる体験学習は多岐にわたり、大別すると三つのタイプに分けることができます。

I. 「生活・文化体験活動」

II.「自然体験学活動」

III. 「社会体験活動」

と分けることができますが、では、それぞれの体験学習には具体的にはどのようなものが当てはまるのでしょうか?

①生活・文化体験活動

たとえば、読書活動がこの生活・文化体験活動が当てはまります。

読書は子どもたちに様々な効果を与えると言われていますが、具体的には

・共感能力が高まる

・感受性や想像力が向上する

・表現力が豊富になる

等があります。

読書をする子どものほうが読書をしていない子どもより、ある面では発達していることがありますが、これは統計上にも現れています。

平成27年に国立青少年教育振興機構が行った統計によると、読書をすることが多い子どもほどコミュニケーション面が得意であるということがわかっています。

②自然体験活動

具体的に言うと、キャンプやハイキングなどの野外で行われる活動はもちろん、植物や生息している生き物の観察や天体観測など、野外で行われる活動が自然体験活動に当てはまります。

実際に自然体験活動を行うとどのような効果が得られるのかというと、小学4~6年生を対象に文部科学省の中央教育審議会がいくつかの項目が書かれたアンケート用紙を使った調査を行いました。

その調査によると、自然体験活動を行わなかった生徒より行った生徒のほうが

・「わからないことは、そのままにしないで調べることのほうが多い」

・「誰とでも協力してグループ活動ができる」

・「相手の立場になって考えることができる」

という項目に当てはまると回答する傾向があることがわかりました。

③社会体験活動

現代は物質的な豊かさや生活の利便性などに優れていますが、その一方で、少子化や都市化などに始まる社会が一丸となって解決すべき問題は子供たちの生活や考え方に影響を与えています。

現代の子供たちは、これまでの子供たちには見られなかったユニークな発想や積極性を持つ傾向があるのは事実ですが、一方で社会性の不足、人間関係の希薄さ、集団や社会に対しての責任感の不足が指摘されています。

そこで、そういった現代の子供たちに不足している要素を補うために、職場体験やボランティア活動などといった、社会体験活動が必要となってきます。

実際に職場体験やボランティア活動を行うことで、社会を経験することができるので、社会性主体性を獲得するためにはこの社会体験活動が必要といえます。

まとめ

現代は豊富な「間接体験」「疑似体験」が存在し、そういった物を簡単に体験できる一方で「直接体験」から子供たちが遠ざかってしまっているのは事実です。

しかしながら、子供たちの成長や発達を促すためには「直接体験」が重要で、学校で多様な体験学習を行うことが必要となってきます。

なので、現代のニーズに合わせた体験活動を考案していくのが、学校や社会の今後の課題の一つであり、子供たちに魅力的に映る体験学習を生み出していく必要性があるのではないでしょうか?

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