部活動指導に携わる教員の多忙な現状と負担軽減策についてご紹介します!

「部活動がつらい」

最近このような声が生徒からではなく、先生からよく聞かれるそうです。

中学や高校では、部活動の指導が大変忙しく、教員の負担となっています。

今回はそのような現状と解決策についてご紹介したいと思います。

 

<悲鳴を上げるような日本の教員の忙しさ>

部活動指導は教員本来の業務ではありませんが、伝統的に教員の仕事と考えられてきました。OECD(経済協力開発機構)の調査によると、日本の課外活動に費やす時間は1週間当たり平均7.7時間で、国際平均(2.1時間)の4倍に近いそうです。文部科学省の2016年調査では、残業が月80時間以上の「過労死ライン」に達している中学校教諭が、全体の57.7%に上っていることもわかりました。

 

<部活動指導はボランティアのようなもの?>

教師の勤務時間は原則一日7時間45分となっています。しかし、この時間内に部活動指導という仕事は収まるのかというと収まるはずがありません。部活動は放課後に行われるので、その時間の大部分は勤務時間外に当たります。土日の部活動指導については言うまでもありません。しかも、公立学校の教師の時間外勤務に対しては、給与特別措置法により残業代は出ません。平日の部活動手当ては一切出ないのです。

土日の部活動に対しては、部活動手当てが支給されます。文科省の財源措置上の考え方は、土日に4時間程度の指導を行った場合に3600円を支給するというものですが、具体的な支給額・支給方法は各都道府県や政令指定都市の裁量に任されています。部活動手当は徐々に増額されてきたものの、無定量の部活動指導を教師に押し付けるための免罪符のようなものになっています(つまり微々たる手当のために貴重な休日に駆り出されているわけです)。

 

<顧問は強制?経験のない部活動の顧問を任されることも>

部活動指導の教員の負担感は長時間勤務によるものだけではありません。自分がやったことのないことや苦手なことをやらされるときにも感じるものです。

最近では部活動の数が増えてきており、顧問の先生の数が足りなくなってきている学校が多いです。建前上は先生の意見を尊重するとか言われていますが、実際はどこかの部活の顧問になることをを強制されることもあるようです。しかも自分がやりたい部活の顧問ができるとは限りません。公立の学校の先生には異動があり、部活の顧問に空きができてしまえば、廃部にしないために経験のない部活動を任せられるなんてことはざらにあります。なので、使用器具や競技のルールをよくわからないまま大会の引率を行うことも結構あります。経験のない部活動を指導する場合、先生はその勉強もしなければなりません。

 

こうした中、部活動における教員の負担を減らすための有効な解決策として、教員に代わる外部の指導者を配置しようとする動きが広がっています。

 

<部活動指導者をアウトソーシングする制度について>

文部科学省は17年度、外部人材を学校職員として登用できるように、「部活動指導員」を制度化しました。「部活動指導員制度」とは、部活動の外部指導者を学校職員として正式に採用して、単独での指導や大会引率などを可能にするものです。これによって、学校の教員ではない指導者に対し部活動における様々な権限を与えられるようになりました。

これまで「顧問」として部活動指導のほかに大会への引率、安全面での管理を請け負えるのは学校職員に限られていました。この制度の導入によって、部活指導員は実技指導はもちろん、顧問として生徒を引率して大会に参加したり、練習プランを練るなど、部活動に関するあらゆる仕事に深く関わることができるようになりました。

また教員側も外部指導員が部活動指導を行うようになって、本来の仕事であるテストの採点や、授業の準備などに時間を割けるようになりました。全国の学校で制度が実施されているわけではありませんが、愛知県名古屋市においては、既にその取り組みが進められています。

 

<まとめ>

中学、高校の部活動には生徒、保護者からの期待が多く集まっています。教員がそのすべての期待にこたえようとすると、疲れてしまい、本来の業務に支障が出てしまうことだってあるでしょう。教員の負担を減らすためにこの記事で書いたような解決策も進められていますが、制度が整うまでにはある程度時間がかかります。それまで教員が心がけることは、限られた時間枠の中で優先してこなすべき仕事を見極めること。教員にとってもっとも重要な仕事である「授業」の準備には最優先で時間を割き、主張すべきところはしっかり主張し、部活動には無理のない範囲内で関わるのが一番だと思います。

 

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